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Vol. 32 一献歌

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    月に一回、 飲み屋さんで軽く酒とつまみをやりながらテーマに沿った話をする「酒と話」。新シ リーズ『自分の中のヒット曲たち』の9曲目です!! "作詞生活50数年。600曲以上を作ってきた中で、売れなかった曲の方が圧倒的に多い。だけど、(売れなくても)作者として「良い歌が書けた」と思う歌がたくさんある。いつかはそういう自分が気に入っている歌だけを集めて、例えばLP盤など形にして、もう一度世に問いたいと思ってる。それが俺の作詞家としての集大成 " 一献歌 歌:三山ひろし 作曲:四方章人  2021年 / 日本クラウン 今は音楽ストリーミングの時代だから若い人たちにはわかんないかもしれないけど、昔はレコードのシングル盤はA面とB面、CDはメイン曲(タイトル曲)とカップリング曲って言い方してた。メインのタイトル曲はレコード会社はじめ皆んなで力を入れてプロモーションするんだけど、カップリング曲はそれほど重要視されなくて時代の中に埋没してしまうことが多い。この話、最近毎回言ってる気がするけど(笑)。今回紹介する歌もB面曲。 メイン曲は制作者サイドの方針とか、歌手の持ち味や方向性とか、綿密な打ち合わせをして作品づくりするんだけど、カップリング曲はお任せスタイルの時も結構あって、この時も比較的自由に作家が作りたいものでOKということだった。 「一献歌」っていうタイトルのヒントはもう何十年も前の酒の席で。薬師寺の高田好胤師*が存命の頃、箱根の旅館で師を囲んで大勢で一杯やる機会があったの。酒席なもんだから「まぁ一杯」と酒を相手に勧める時に「まず一献」と。ワイワイガヤガヤあっちこっちで「まず一献」ってやってるんだよ。それを聞いてて、「あぁ、”まず一献”って言葉が面白いなぁ」と思って、いつか「一献」という言葉を使って歌を作ろうとずっと思っていた。今回のカップリングは自由にということだったんで、それを実現した感じ。 四方(章人)*さんが演歌演歌してない、現代的な今風なメロディーを付けてくれた。酒の席にピッタリの歌詞だし、おしゃれな曲だからカラオケで歌ってもかっこいいし、皆んなで楽しめる歌だと思ってる。三山くんもステージでギターの弾き語りで歌ってくれて、それもすごく良くて印象に残った。 さっきも言ったけどメイン曲は制作者サイドとか皆んなで方向性決めて作り