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Vol.12 中国と「北国の春」

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  月に一回、いではくが飲み屋さんへ行って軽く酒とつまみをやりながらテーマに沿った話をする「酒と話」。第12回は西荻窪にある、魚と野菜料理の店「海のぼん」で『中国と"北国の春"』について語ってもらいました! 1977年に発売された"北国の春"(歌:千昌夫  作詞:いではく  作曲:遠藤実)。日本でのヒットのみならず、中国をはじめモンゴル、タイなどアジア圏でも大ヒットし、一説によると15億人以上に愛唱されているという。 中国での"北国の春"  "北国の春"は中国語バージョンになって海外で歌われているんだけど、俺が把握してるだけで5、6パターンある。  最初に言っておくと、向こうでは色々な内容の歌詞で歌われているんだけど、それについて俺は全く関与していない。  やっぱり一番ポピュラーなのは北京を中心に流行った"北国の春"の直訳「北国之春」なんだろうけど、最初に流行り始めたのはもうちょっと前、テレサ・テンさんが歌った「我和你(訳:私とあなた)」。中国大陸の南の方で流行り始めてた。当時、鄧小平が中国のトップだったんだけど、鄧小平は"大きい鄧"、テレサ・テンは"小さい鄧"ということで、大鄧と小鄧なんて言われてた。(注:テレサ・テンの中華圏での名前は鄧麗君) 鄧小平が率いる軍隊でテレサ・テンが歌うラブソング「我和你」が流行ったことで軍隊の士気にも影響が出たことから、「小鄧が大鄧を食った!」なんて皮肉的な記事が新聞に出るくらい人気があった。  一方で、さっき言った北京から北の方は直訳バージョン、要するに故郷を想う歌詞で人気を得た。というのも東京に働きに上京した人たちが"北国の春"を支持したように、やっぱり中国でも北京に働きに出て来ている吉林省とか、中国北部から来ている人たちにとっては望郷の歌だったんだと思う。そんな人たちに支持された。だからあの大きい大陸で"北国の春"は、2分するような流行り方をしたわけ。  直訳バージョンは蒋大為(ジャン・ダーウェイ)さんが歌った。この人は中国の民謡歌手というか古典をやっているような歌い手らしい。俺も一回会ったことはあるんだけど。  それから上の2つ